健康保険証が使えなくなる!?|2025年8月以降の3つの受診方法と今すぐできる準備

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「え、8月から保険証が使えなくなるって本当?」

そんな不安の声が、最近あちこちで聞こえてきます。

確かに2025年8月以降、これまで慣れ親しんだ紙の健康保険証に変化が起こります。

でも大丈夫。準備さえしておけば、安心して医療機関を受診できます。

40代、社会保険労務担当のサラリーマンで未就学の子どもを持つ筆者が、実際に調べて分かった「本当に必要な準備」を、分かりやすくお伝えします。

目次

まず安心してください:医療は受けられます

まだ「完全廃止」ではない

最初に重要なのは、現在お手持ちの紙の健康保険証の有効期限は、加入している保険の種類によって異なるということです。「8月になると使えなくなる」という情報が一部で流れていましたが、これは正確ではありません。

保険種別ごとの有効期限

国民健康保険・後期高齢者医療制度

  • 有効期限:2025年7月31日まで

協会けんぽ・健康保険組合

  • 有効期限:最長2025年12月1日まで

正確なスケジュール

  • 2024年12月2日~: マイナンバーカードが健康保険証として本格運用開始
  • 2025年7月31日まで: 国保・後期高齢者医療の紙の保険証使用可能
  • 2025年8月1日以降: 国保・後期高齢者医療はマイナ保険証または資格確認書での受診に移行
  • 2025年12月1日まで: 協会けんぽ・健康保険組合の紙の保険証使用可能
  • 2025年12月2日以降: 全ての保険でマイナ保険証または資格確認書での受診に移行

新制度以降の受診方法

  1. マイナンバーカード(マイナ保険証)での受診 – 推奨される標準的な方法
  2. 資格確認書での受診 – マイナンバーカードを持たない人向けの代替手段
  3. 緊急時の例外対応 – システム障害や災害時などの特別な場合

ご自身の保険証の有効期限を確認しましょう

お手持ちの健康保険証を確認し、保険者名や組合名をチェックしてください。「○○市国民健康保険」や「○○後期高齢者医療」と記載されている場合は7月まで、「協会けんぽ」や会社名が記載されている場合は11月までが目安です。

さらに、2026年3月までの暫定措置として、厚生労働省は医療機関に対して重要な配慮を求めています。これまで使っていた期限切れの保険証しか持参していない患者でも、医療機関側が何らかの方法で保険資格を確認できれば、10割負担を求めないよう周知しているんです。

これは制度移行期における混乱を避けるための措置ですが、あくまで緊急的な配慮であることを理解しておく必要があります。なるべく早いうちに、マイナンバーカードか資格確認書の準備しておいた方がいいでしょう。

マイナンバーカードを持っていない方でも、適切に準備をすれば医療機関を受診できます。
そして、2026年3月までは暫定措置として現在の保険証も使用できるため、慌てる必要はありません。

なぜ、制度が変わるのか

政府が制度変更を行う背景には、いくつかの狙いがあります。

行政効率化の推進
複数の証明書を一つのカードに集約することで、行政コストの削減と手続きの簡素化を図ろうとしています。確かに、引越しや転職の際に保険証の切り替え手続きが不要になるのは便利ですね。

医療情報の連携強化
マイナ保険証を使うことで、薬歴や特定健診の結果などが医療機関間で共有され、より安全で効率的な医療提供が可能になるとされています。

デジタル化の促進
日本全体のデジタル化を推進する一環として、医療分野でのデジタル化を進めたいという政策的な意図があります。

理念としては理解できますが、利用者としては「本当に便利になるの?」というのが正直な感想ですよね。

マイナンバーカードを持たない人の選択肢

資格確認書という代替手段

マイナンバーカードを取得していない、または取得したくない方にとって重要なのが資格確認書です。これは従来の健康保険証に代わる証明書で、お手持ちの紙の健康保険証の有効期限が切れたあと、マイナ保険証を使わずに受診するために必要となります。

資格確認書の基本情報

  • 正式名称: 健康保険被保険者資格証明書
  • 発行元: 各健康保険組合・全国健康保険協会・市区町村(国保)
  • 有効期間: 最長5年(保険者によって異なる)
  • 発行手数料: 原則無料

資格確認書の発行について

重要なポイント:マイナンバーカードを持っていない方には、申請不要で自動発行されます

資格確認書は、マイナンバーカードと健康保険証の紐付けが完了していない方に対して、原則として申請なしで自動的に発行されることになっています。

自動発行の対象者

  • マイナンバーカードを取得していない方
  • マイナンバーカードを取得しているが、健康保険証としての登録をしていない方
  • マイナ保険証の登録を取り消した方
  • マイナンバーカードの電子証明書が有効期限切れの方
  • 後期高齢者医療制度加入者(2026年7月まで暫定措置)

発行のタイミング

  • 協会けんぽ加入者: 2025年7月下旬~10月下旬に順次送付(有効期限は12月までのため)
  • 健康保険組合加入者: 各組合の方針により発送時期が異なる(有効期限は12月までのため)
  • 国民健康保険加入者: 市区町村により発送時期が異なる(有効期限は7月までのため早めの発送)

申請が必要なケース

  • 高齢者や障害者で特別に希望する場合
  • マイナンバーカードを紛失・更新中の場合
  • 顔認証付きカードリーダーの利用が困難な場合

協会けんぽに確認したところ、「マイナ保険証の登録をしていない被保険者と扶養者には、2025年7月以降に資格確認書を自動送付する予定」とのことでした。つまり、多くの方は特別な手続きをしなくても資格確認書を受け取れることになります。

資格確認書の発送と受け取りについて

現在の発送状況

各保険者では、2025年7月下旬から資格確認書の発送を開始していますが、対象者が非常に多いため、発送作業に時間がかかっている状況です。特に、国民健康保険や後期高齢者医療制度の加入者は、7月までの有効期限のため、優先的に発送作業が進められています。

発送の特徴

  • 簡易書留または特定記録郵便で送付される
  • 被保険者の住所に家族分もまとめて送付
  • 5枚を超える場合は複数の封筒に分けて送付
  • 2025年12月までには全対象者への発送完了を予定

まだ届いていない場合の対応

現在の紙の健康保険証は保険種別によって有効期限が異なりますが、資格確認書が届いていなくても、期限内であれば従来の保険証で受診できます。ただし、以下の点にご注意ください。

  • ご自身の保険証の有効期限を確認し、期限後の受診に備えて届かない場合は加入している保険者に問い合わせる
  • 引っ越しなどで住所変更がある場合は、早めに保険者に連絡する
  • 紛失した場合の再発行手続きについても事前に確認しておく

資格確認書利用時の注意点

資格確認書を利用する際には、いくつかの注意点があります。

有効期間の管理が重要
従来の健康保険証は保険の変更がない限り継続して使用できましたが、資格確認書は定期的な更新が必要です。有効期限を忘れて医療機関を受診した場合、一時的に全額自己負担になる可能性があります。

医療機関での確認時間
マイナ保険証に比べて、資格確認書での受診時は保険資格の確認に時間がかかる場合があります。特に初診の医療機関では、追加の確認作業が必要になることも考えられます。

情報連携の制限
マイナ保険証では薬歴や健診結果の確認ができますが、資格確認書ではこれらの情報連携機能は利用できません。お薬手帳の持参がより重要になります。

マイナ保険証を使う場合の実際の流れ

医療機関での新しい受診手順

マイナンバーカードをマイナ保険証として利用する場合の、実際の医療機関での手順を詳しく見てみましょう。

受付での操作手順

  1. カードリーダーにマイナンバーカードを置く: 受付にある専用端末にカードを置きます
  2. 4桁の暗証番号を入力: マイナンバーカードの利用者証明用電子証明書の暗証番号を入力
  3. 顔写真での本人確認: カードの顔写真と本人を目視確認、または顔認証システムで確認
  4. 同意確認: 薬剤情報や特定健診情報の提供について同意するかを選択

初回利用時の追加手続き
初めてマイナ保険証を使用する際は、健康保険証との紐付け確認が行われることがあります。これまでの保険証を持参していると、手続きがスムーズに進みます。

よくあるトラブルと対処法

実際にマイナ保険証を使用した際に起こりがちなトラブルと、その対処法をまとめました。

暗証番号を忘れた場合
マイナンバーカードの暗証番号を忘れてしまうケースは意外と多いんです。この場合、市区町村の窓口で再設定手続きが必要になります。ただし、当日の受診はできなくなってしまうため、暗証番号は忘れないよう注意が必要です。

システム障害で読み取りできない場合
医療機関のシステム障害や、カード自体の不具合で読み取りができない場合があります。このような際は、従来の保険証(移行期間中)や資格確認書があれば受診可能です。また、医療機関によっては一時的に自費での受診となり、後日保険適用分の返金を受けることもあります。

保険情報が最新でない場合
転職や保険の変更があった場合、マイナ保険証に反映されるまでに時間がかかることがあります。この場合は、新しい保険証の提示が必要になります。

家族構成別の対応策

高齢者がいる家庭での注意点

わたしの両親もそうですが、高齢者にとってこの制度変更は特に大きな負担となります。

認知面での配慮
暗証番号の記憶や、新しい操作手順への慣れが困難な場合があります。家族が付き添える体制を整えるか、資格確認書の利用を検討することをお勧めします。

緊急時の対応
救急搬送時など、本人がマイナンバーカードを持参できない場合の対応を事前に考えておく必要があります。緊急連絡先を記載したカードを常に携帯してもらうなどの工夫が必要ですね。

複数医療機関の受診
高齢者は複数の医療機関を受診することが多いため、各医療機関でのマイナ保険証対応状況を事前に確認しておくことが重要です。

小さな子供がいる家庭での対応

4歳の息子がいるわたしにとって、子供の医療機関受診についても準備が必要です。

子供用マイナンバーカードの取得
15歳未満の子供のマイナンバーカードは、親権者が代理で申請する必要があります。顔写真も必要なので、準備に時間がかかります。

急病時の対応
子供の急病は予測できないため、夜間や休日の救急外来でも対応できるよう準備が必要です。資格確認書も併せて用意しておくと安心です。

保育園・学校との連携
保育園や学校で怪我をした際の対応についても、事前に確認しておくことが重要です。

単身世帯での対応

一人暮らしの方の場合、家族のサポートが期待できないため、より確実な準備が必要です。

バックアップ手段の確保
マイナンバーカードの紛失や故障に備えて、資格確認書も用意しておくことをお勧めします。

緊急時の情報管理
意識不明時などに備えて、緊急連絡先や服用薬の情報を整理しておくことが重要です。

医療機関側の対応状況

全ての医療機関が対応済みではない現実

政府は2025年8月までに全ての医療機関でマイナ保険証対応を義務化していますが、現実には準備の進捗にばらつきがあります。

大病院と小規模診療所の差
大学病院や総合病院では比較的早期にシステム導入が進んでいますが、個人経営の診療所では設備投資の負担から、導入が遅れている場合があります。

地域格差の存在
都市部と地方では、インフラ整備の状況に差があります。わたしの実家がある地方では、まだ対応していない医療機関も少なくありません。

かかりつけ医での事前確認の重要性

2025年8月以降に慌てないよう、現在通院している医療機関での対応状況を事前に確認しておくことをお勧めします。

確認すべきポイント

  • マイナ保険証対応の開始時期
  • 資格確認書での受診可否
  • システム障害時の対応方法
  • 予約システムの変更有無

今すぐ始めるべき準備のチェックリスト

家族全員分の状況確認

まずは家族全員のマイナンバーカード取得状況を確認しましょう。

マイナンバーカード関連

  • [  ] 家族全員のマイナンバーカード取得状況を確認
  • [  ] 未取得者の申請手続きを開始(取得まで1-2ヶ月必要)
  • [  ] 健康保険証との紐付け登録を完了
  • [  ] 暗証番号の確認と記録(安全な場所に保管)

資格確認書関連

  • [  ] 加入している健康保険での資格確認書申請方法を確認
  • [  ] 必要に応じて資格確認書の申請を実施
  • [  ] 有効期限と更新方法の確認
  • [  ] 申請書の控えや受付票を保管(発送遅延に備えて)

医療機関関連

  • [  ] かかりつけ医のマイナ保険証対応状況を確認
  • [  ] 子供の小児科での対応状況を確認
  • [  ] 緊急時に利用する可能性のある病院の対応状況を確認

緊急時への備え

万が一の事態に備えた準備も重要です。

情報整理

  • [  ] 家族全員の服用薬リストを作成
  • [  ] アレルギー情報の整理
  • [  ] 緊急連絡先の整理
  • [  ] かかりつけ医の連絡先一覧作成

書類の準備

  • [  ] お薬手帳の更新と常時携帯
  • [  ] 保険証のコピー保管(移行期間中)
  • [  ] 身分証明書の複数準備

よくある質問と回答

Q: マイナンバーカードを絶対に作らなくてはいけないのですか?

A: いいえ、絶対ではありません。資格確認書という代替手段があります。ただし、定期的な更新が必要になるなど、管理面での手間は増えることになります。

Q: 紙の保険証の有効期限が違うのはなぜですか?

A: 保険者(保険を管理する組織)の違いによるものです。国民健康保険や後期高齢者医療制度は市区町村が管理しており、より早い段階での移行を目指しているため7月に設定されています。一方、協会けんぽや健康保険組合は民間企業の組織のため、準備期間を考慮して最镱12月までとされています。

Q: 新制度以降、今の保険証は完全に使えなくなるのですか?

A: 原則として利用は終了しますが、システム障害時や災害時などの緊急時には例外的な対応が行われる予定です。また、厚生労働省は2026年3月までの暫定措置として、期限切れの紙の保険証を持参した場合でも、医療機関が保険資格を確認できれば10割負担を求めないことを医療機関に周知しています。ただし、これは緊急的な配慮措置であり、日常的には新しい制度での受診が求められます。

Q: 子供が小さくてマイナンバーカードの管理が心配です

A: 15歳未満の子供の場合、カードの管理は保護者が行います。紛失や破損のリスクを考慮して、資格確認書も併せて準備しておくことをお勧めします。

Q: 暗証番号を何度も間違えるとロックされると聞きましたが…

A: はい、一定回数間違えるとロックされます。その場合は市区町村窓口でのロック解除手続きが必要になります。暗証番号は忘れないよう、安全に管理してください。

Q: 資格確認書がまだ届いていませんが、医療機関を受診できますか?

A: 現在の紙の健康保険証は保険種別によって異なる期限まで使用可能なので、資格確認書が届いていなくても、有効期限内であれば問題ありません。資格確認書は、マイナンバーカードと健康保険証の紐付けが完了していない方に対して、各保険者から自動的に発送されます(申請不要)。(国民健康保険:7月までの有効期限、協会けんぽ等:12月までの有効期限)まだ届いていない場合は加入している保険者に問い合わせてください。

まとめ:早めの準備で安心の医療機関受診を

2025年以降の健康保険証制度の変更は、確かに大きな変化です。しかし、適切に準備をすれば、これまでと同様に安心して医療機関を受診できます。そして、保険種別によっては十分な時間的余裕があります。

重要なポイントの再確認

  1. 保険証の有効期限が保険種別で異なる: 国保・後期高齢者医療は7月まで、協会けんぽ等は12月まで
  2. 選択肢は2つ: マイナ保険証または資格確認書
  3. 資格確認書は多くの場合自動発行: 申請不要で送付される
  4. 家族全員の確認: 一人ひとりの状況に応じた準備
  5. かかりつけ医の確認: 事前の対応状況確認が必須

わたし自身も、この記事を書きながら家族の準備状況を改めて確認しました。息子のマイナンバーカードはまだ申請していなかったので、早速手続きを始めることにしました。

制度変更による混乱を避けるためにも、ご自身の保険証の有効期限を確認し、期限までの時間を有効活用して準備を進めることをお勧めします。特に、小さなお子さんや高齢者がいる家庭では、余裕を持ったスケジュールで準備を進めることが重要です。

あなたとご家族が、2025年以降も安心して医療機関を受診できるよう、この記事がお役に立てれば嬉しく思います。

⚠️ 注意事項
制度の詳細は変更される可能性があります。最新の情報については、厚生労働省や加入している健康保険組合の公式情報を必ずご確認ください。

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