配当金も国債利子も、節税できる条件を調べたら、自分にはどちらも当てはまらなかった話

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はじめに

きっかけは、個人向け国債の利子でした。

わたしは個人向け国債を持っていて、利子を受け取っています。
そして、その利子は約2割の税金が引かれて支払われます。

もともとが大した額ではないので、引かれる税金も小さな額なのですが、それでも、余計な出費には違いありません。

毎回のことなので、10年後にはかなりの額になっていることでしょう。嫌だ。なんとかしたい。

そんなとき、「配当金」にかかる税金は確定申告すれば減らせることがある、という話を耳にしました。

じゃあひょっとしたら、「利子」にかかる税金にも減らせる余地があるのではないか。配当で使える手は、利子にも使えるかもしれない。そんな軽い気持ちで調べ始めました。

この記事は、「利子」と「配当金」にかかる税金を減らせるかどうかについて調べた記録です。

結論を先に書くと、わたしの状況では税金を減らすことはできないようでしたが、条件次第では減らせる可能性があるとわかりました。

目次

課税方法にはいくつかの種類がある

調べはじめて、最初にぶつかった壁が、「総合課税」「申告分離課税」「申告不要」という3つの課税方法についてです。

  • 総合課税:給与所得など他の所得との合算で税率が決まる方法
  • 申告分離課税:他の所得とは合算せず、その所得だけを切り離して一定の税率で計算する方法
  • 申告不要:源泉徴収されたところで課税関係が終わり、確定申告そのものをしない方法

所得(収入)の種類によって、この3つの課税方法の中からどれが適用されるかが決められています。

この記事に出てくる所得で整理すると、こうなります。

所得の種類総合課税申告分離課税申告不要
給与所得××
上場株式の配当所得
上場株式等の譲渡所得(売却益)×○(特定口座・源泉徴収ありの場合)
個人向け国債などの利子×
銀行の預貯金の利子××

まずはこの3つの課税方法を覚えておいてください。

個人向け国債の利子は、給与と合算して計算できない

個人向け国債の利子は、基本的には「申告不要」です。
税金を引いて支払われますので、確定申告で報告しなくても問題はありません。

個人向け国債は「総合課税」を選択できません。
もし、「総合課税」で給与と合算して税率を計算できるのであれば、節税の余地がありました。
年収が低い人であれば、所得税5%、住民税10%程度ですので、合計15%です。
源泉徴収されるのは約20%ですので、5%の節税ができる、ということになるのですが・・・「総合課税」を選択できないので意味のない計算です・・・。

「節税の余地は一切ないのか、「申告分離課税」って方法もあるみたいじゃないか!」

と思われるでしょうが、申告分離課税の税率は源泉徴収時の税率と同じなので、わざわざ申告しても税金は返ってきません。やるせない。

と、わたしの場合はそうだったのですが、実はここでも減税できる可能性のある人がいます。

それは、株式取引きなんかで損失を出している人です。

国債の利子にかかる税金を減らせる、唯一の条件

総合課税が使えない代わりに、申告分離課税を選んだ場合にかぎり、上場株式等の譲渡損失(売却損)との損益通算ができるようです。

たとえば、その年に株式の売却損が10万円、国債の利子が1万円あったとします。利子の1万円には20.315%(2,031円)が源泉徴収されていますが、申告分離課税で確定申告をすると、利子の1万円を売却損10万円と相殺できます。相殺した結果、利子にかかる課税対象額はゼロになり、源泉徴収されていた2,031円は還付されます。

つまり、国債の利子を減らせる条件は「株式等の売却損があること」の一点に尽きる、ということです。

しかしここにも落とし穴があります。NISAでの損失は、損益通算の対象にはならないということです。
NISAでは利益が出ても課税されないという素晴らしい仕組みなのですが、その副作用(?)として、損失が出ても損益通算はできない、と決まっているのです。

わたしは株式投資も行っていますが、ほとんどすべてNISAとiDeCoです。なので、わたしには使えない方法でした。

いつか、NISA枠が埋まることがあったなら、この記事が役に立つかもしれません・・・。

配当金にかかる税金は仕組みが違った

国債の利子の仕組みが分かったところで、そもそも最初に耳にしていた配当金についても調べてみることにしました。

NISA口座で買った株式から受け取る配当金はそもそも非課税なので、わたしには関係のない話なのですが。

上場株式の配当所得を調べると、総合課税・申告分離課税・申告不要のすべてを選べる、表の中で唯一の存在でした。配当金は、「総合課税」を選べるんですね。

しかも、総合課税を選んだ場合には、「配当控除」という税額控除が使えます。素晴らしい。

かなり複雑なので、詳しい数値はここでは省略しますが、累進税率と配当控除の組み合わせにより、給与所得と配当所得の合計額によっては、源泉徴収の20.315%より実質的な負担が下がる可能性があるようです。ただし扶養控除や、国民健康保険加入者の場合の保険料への影響も絡むため、「この年収なら総合課税一択」と単純に言い切れるものではなさそうでした。

配当控除の税率について

配当控除の控除率は、課税所得の水準や配当の種類によって変わります。
・国内上場株式の配当:所得税10%・住民税2.8%
 (課税所得1,000万円超の部分は所得税5%・住民税1.4%)
・投資信託の分配金:上記のおおむね半分の率
最新の税率は国税庁のページでご確認ください。

記事中では計算を簡略化していますが、実際の控除額は上記の率をもとに算出されます。最新の税率は国税庁のページでご確認ください。

申告分離課税を選んだ場合は、国債の利子と同じく、株式等の売却損失と損益通算できます。「損出し」と呼ばれる、含み損の銘柄をあえて年末に売却して損失を確定させ、配当と相殺したあと翌年買い戻す、という手法も行われているようです。

なんか上級者っぽいテクニックですね。

整理すると、配当金を減らせる条件は2つあることになります。

  1. 総合課税を使う:課税所得の合計額によって計算される税率が、源泉徴収の20.315%を下回る範囲に収まっていること
  2. 申告分離課税を使う:株式等の売却損があること

国債の利子は条件2しかありませんでしたが、配当には条件1というもう一つの手法があった、というのがここまでの発見でした。

結局、わたしは節税できなかった・・・

国債の利子と配当金、どちらも条件さえ揃えば税金を減らせるかのうせいがあることは分かりました。

ただ、その条件(売却損があること、総合課税が有利になる所得水準であること)は、NISA中心の運用スタイルでは使えない、というのが結論です。

特定口座で株式や投資信託を保有している方であれば、この記事で紹介した条件に当てはまる場面もあるかもしれません。

わたしも、NISA口座では収まりきらないほどの資産を築いた暁には、節税にも知恵を絞ってみようかと思います。

いつか、きっと・・・。

税率や配当控除率、損益通算のルールは制度改正の対象になり得るので、実際に確定申告を検討する際は国税庁のページや証券会社の最新情報で確認していただければと思います。職業や家族構成、他の所得や控除の状況によって最適解は変わるはずなので、この記事はあくまで調べた過程の記録として読んでいただけたらと思います。

※本記事は筆者個人の体験・記録であり、特定の手法や商品を推奨するものではありません。

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