「勝てる投資法」をやめて「続けられる投資法」を選んだ話|個別株からオールシーズンズポートフォリオ的な積立投資へ

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こんにちは、クサハラです。
中小企業でひとり総務として働きながら、5歳になる子どもを育てています。

家族との時間を大切にしながら、将来のために少しずつ資産形成をしたいと思い、5年前に投資を始めました。

この記事では、投資を始めてから今のスタイルに落ち着くまでの、わたし自身の悩みと試行錯誤の記録を書いてみようと思います。これは「こうすべき」という指南ではなく、あくまで一人のサラリーマンが歩んできた道のりとして読んでいただけたら嬉しいです。

目次

きっかけは、子育てと住宅ローンとライフプラン

わたしたち夫婦は、子どもがなかなかできない時期がありました。だからこそ「まずは子ども」というのが、当時のわたしたちにとって何より優先すべきことでした。お金のことを真剣に考える余裕も、正直あまりなかったように思います。

そして、念願の子どもを授かりました。子どもができたことで、次は「家を建てよう」という話になりました。かねてからの希望でもありましたが、子どもの成長を見据えて、生活環境を整えたいという気持ちがより強くなりました。

家を建てるとなると、当然ながら住宅ローンが発生します。そして同時に、これから先にかかる子どもの学費のことも考えなければなりません。子どものこと、家のこと、学費のこと——それらが一気につながって、初めて「ライフプラン」というものを真剣に考えるようになりました。それまでは「ちゃんと働いていればなんとかなる」くらいの感覚だったお金の話が、急に現実味を帯びてきた瞬間でした。

退職金だけでは住宅ローンが残ると気づいた話

ライフプランを考えるうえで、重大な問題点がありました。退職金の少なさです。

住宅会社に相談に行くと、まずは資金面の話から始まることが多かったのですが、そこで退職金の話題になることも度々ありました。

わたしはひとり総務として、退職金規定を把握していますし、ほかの社員の給与も知っています。将来的な給与の伸びや、その場合の自分自身の退職金がどれくらいになるかも、かなり正確に予測できてしまいます。

わたしの年齢で35年のローンを組むとなると、返済が完了するのは定年後となります。住宅ローンは退職金で返済というパターンはよく聞きますが、到底足りません。全く足りません。

住宅ローンの返済計画と照らし合わせると、どう考えても定年後にもかなりの額の住宅ローンが残ってしまう。これは、漠然とした不安ではなく、数字としてはっきり見えてしまった現実でした。

現在の収入だけではどうにもならない以上、別に資産形成の手段を持つしかない。そう思ったのが、投資を始めた一番のきっかけです。

個別株から始めた、最初の3年

投資1年目は、なんとなく「安そうだな」と感じた銘柄を買って、値上がりしたら売る、というシンプルなスタンスでした。一応チャートや業績はチェックしていたつもりですが、今振り返るとかなりいい加減な見方だったと反省しています。それでも、下がっている銘柄ばかり買っていたこともあって大きな損失にはならず、たまたま値上がりした銘柄に助けられて、トータルではプラスで終えることができました。ビギナーズラックだったのでしょう。

2年目になると、本やYouTubeでの投資の勉強が投資判断に影響するようになりました。テクニカル分析をわかった気分になり、いわゆる人気銘柄にも手を出すようになりました。プラスになった銘柄もありましたが、その分マイナスになった銘柄も大きく、結果としてはプラスマイナスゼロくらいに落ち着きました。知識が増えたはずなのに、成績は1年目より悪い。投資にかける時間と労力に見合わない結果となってしまいました。

3年目は、さらに知識が増えていったものの、その分だけ臆病にもなっていきました。調べれば調べるほど、リスクやマイナス要因ばかりが目につくようになり、結局怖くて買えなくなってしまう。せっかく時間をかけて勉強しているのに、行動できないというジレンマに陥っていました。絶好のタイミングを待つんだ、と考えていても時間だけが過ぎる状況には焦りが募り、買っていないのにストレスが溜まっていました。

買ったら買ったで、仕事中も株価が気になって、何度も画面を確認してしまう。どうしても落ち着かず、トイレで株価を確認するのが日課になり、そこで売買をしてしまったこともあります。今思えば、完全に仕事より投資のことで頭がいっぱいになっていた時期でした。

投資予定額の1割程度しか買っていないのに、仕事中も、家に帰っても、子どもと遊んでいても株価のことが頭をよぎる。銘柄選びや売買のタイミングについても、いくら調べても「これで合っている」という確信を持てたことは一度もありませんでした。情報を集めれば集めるほど不安になり、また新しい情報を探しに行く。そんな堂々巡りを3年も続けていました。

最高の投資法ではなく、自分に合った投資法を

このままでは続かない、と感じたのは、3年目の途中でした。

知識は増えても投資はうまくならない。資産が増えるどころか、自分の時間とエネルギーばかりがすり減っていく感覚がありました。

眠れないこともありました。これではいつか体を壊してしまうかもしれない。ストレスを子どもにぶつけてしまうかもしれない。家族との未来のために始めた投資なのに、今を犠牲にしては未来はない、と考えるようになりました。

そこからは、「勝てる投資法」から「続けられる投資法」に観点を切り替えました。それに合った投資本を読んだり、信頼できそうな発信者の話を聞いたりしながら、自分にとっての最適な投資のかたちを探し始めました。

何冊か読んだ中で、特にわたしの考え方に影響を与えてくれたのが『敗者のゲーム』という本でした。インデックス投資のバイブルともいわれる名著ですが、さすがの説得力です。ほかにも『JUST KEEP BUYING』や『サイコロジー・オブ・マネー』といった本も参考になり、自分の考え方の間違いに気づかせてくれました。

世の中には「最高の投資法」を語る本がたくさんあり、その中には、「これなら勝てそうだ」と感じられるものも少なくありませんでした。しかし、この時になって気づいたのは、「その投資法が優れているかどうか」よりも、「その投資法を自分が実行し続けられるかどうか」の方が重要であるということです。

個別株をやめ、投資信託中心に

どれだけ素晴らしい投資法も、自分が実行できなければ意味がありません。そこでようやく、「最高の投資法」を探すのではなく、「自分に合った投資法」を見つける必要があるのだと思うようになりました。

そうして4年目に、個別株投資をほぼやめ、投資信託をメインにする方向へと舵を切りました。その過程で、レイ・ダリオさんの「オールシーズンズポートフォリオ」という考え方に出会い、リターンを追いかけるよりも安全第一で考える。「大きくは儲からないが、大暴落もしにくい」というスタンスに大きく転換しました。今振り返ると、ここがわたしにとっての大きな分岐点だったと思います。

インデックス運用の投資信託を核にして、ポートフォリオを作成しています。株式のほかに、債券や金も買って、暴落に備える感じ。オールシーズンズポートフォリオの比率と比べると、債券が少なく、コモディティは買ってません。購入予定を年初に決めて、その通りに買っていく。臨時収入があった場合の購入銘柄も事前に決めています。売ることは基本的にありません。

5年目となる現在も、このスタイルを継続中です。当初に比べて、ずいぶん落ち着いて投資に取り組めるようになりました。

スタイルを変えてから、まず一番大きく変わったのは、心の負担が軽くなったことです。

投資信託は注文を出してもすぐには約定しないこともあり、「今すぐ確認しなきゃ」という焦りそのものが自然と薄れていきました。個別株の頃のように、仕事中に何度も画面を開くようなことはなくなりました。

今でも毎日のように株価をチェックしていますが、見る回数は明らかに減りました。昼休みと仕事終わりの1日2回といった感じで、昼はチェックを忘れることもあります。

今、やめた方がいいなと感じているのは、寝る前の「世界の株価」というサイトをチェックしてしまうことです。やはりアメリカ市場の動向は気になるので見てしまいます。(米国の個別株なんかは持っていないので、見ても何もできないのですが・・・)

NISAとiDeCo、分けて考えるのをやめた話

以前は、iDeCoとNISAをそれぞれ別枠で考えていて、両方でうまく利益を出そうと頑張っていました。でも、老後や将来のために資産を育てるという目的はどちらも同じなのだから、わざわざ分けて考える必要はないんじゃないか、と思うようになりました。

それからは、外国株・日本株・金・債券といった資産を、NISAかiDeCoかという口座の違いに関係なく、全体でひとつのポートフォリオとして組むようにしました。それぞれの口座でどうなっているかではなく、すべて合計した金額で状況を把握する感じです。

口座ごと、銘柄ごとに一喜一憂するのをやめて、大きく全体だけを見るようにしたことで、投資に対してかなり落ち着いて向き合えるようになったと思います。

また、含み損益をあまり意識しないようにしているのも、わたしなりの工夫です。投資資産の総額の推移は記録していますが、各銘柄に含まれる評価損益までは細かく追わないようにしています。

投資の楽しさはS株投資で補う

正直に書くと、個別株を完全にやめることはできませんでした。SBI証券のS株(単元未満株)であれば、1株単位で買えるので、投資額は少なくできます。応援したい企業や、興味のある企業の株を少しだけ買っています。

投資信託のデメリットは「退屈さ」です。やることが少ないので物足りないんです。それこそがほったらかし投資の極意だと思うのですが、わたしはまだその境地には至っていません。

個別株投資は、とてもとてもしんどかったのですが、一方で確かに楽しさもありました。社会の情勢にも敏感になりますし、目を付けた企業のIRをチェックしていると勉強にもなります。

遊びとしてのS株投資は、わたしにとって、今のところ良いスパイスになっています。

家族のための投資、というあらためての気づき

このスタイルに変えてから、投資との向き合い方そのものが変わりました。

以前は、資産を増やすことそのものが目的になっていたように思います。でも、自分にとって投資は、家族の生活と未来を守る手段でしかありません。投資で時間と精神がすり減らされ、家族との関係に支障が出てしまっては、何のための投資だか分からなくなってしまいます。

不安に駆られて焦って増やそうとするのではなく、「家族との時間を守りながら、無理なく続ける」という気持ちの方が、今は大きくなりました。

完璧にできているわけではなく、まだ理想に向かって少しずつ自分を変えている途中です。それでも、3年目までの自分と比べると、ずいぶん楽に投資に取り組めています。

おわりに

投資の方法は人それぞれで、何が正解かは一人ひとり違うのだと思います。わたしの場合は、個別株中心のスタイルから、積立を中心としたスタイルに変えたことで、投資を続けていける心の余裕が持てました。

正直、他の人の爆益報告を見ると羨ましくなります。しかし、自分にはその投資法は無理なんだと諦めています。

同じように、投資を続けることに悩んでいる方の参考に、少しでもなれば嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

この記事で紹介した本

  • 『敗者のゲーム』
  • 『JUST KEEP BUYING』
  • 『サイコロジー・オブ・マネー』

投資との向き合い方を見直すきっかけになった3冊です。同じように悩んでいる方には、特に読んでみてほしいと思っています。

※本記事は筆者個人の体験・記録であり、特定の投資手法や商品を推奨するものではありません。投資は自己判断・自己責任のもとで行ってください。

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