【2026年版】「これって回収しなきゃいけないの?」マイナ保険証移行後の保険証・資格確認書の扱い方

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⚠️ この記事は協会けんぽ加入の事業所を前提にまとめています。
他の保険組合に加入している場合は、対応や手続きの流れが異なることがあります。詳細はご加入の保険者にご確認ください。

2024年12月2日に健康保険証制度が廃止され、同時に新規発行も停止されました。既存の保険証については最長1年間の経過措置が設けられておりましたが、2025年12月1日をもってその期間も終了しています。これによって、日本全体がマイナンバーカードを健康保険証として使う「マイナ保険証」へと移行しました。

2026年現在、病院を受診するには、マイナ保険証か、健康保険資格確認書(資格確認書)を利用するようになっています。

今、総務・人事担当者として判断を迷ってしまうのが、退職や扶養変更のたびに発生する「保険証や資格確認書の返却・破棄」の問題ではないでしょうか。

具体的には、大きく2つの問題があります。

ひとつは従来の健康保険証の扱い。すでに失効しているものの、引き出しの奥に眠っている従業員も少なくなく、「これって返却しなきゃいけないの?」という問い合わせが地味に続いています。

もうひとつは資格確認書の扱い。マイナ保険証を持っていない方に代わりに発行されるこのカードは、「返納が必要なケース」と「本人破棄でいいケース」が混在していて、対応を間違えやすいのが難点です。

今回は自分の備忘録も兼ねて、場面ごとの対応をまとめてみます。

目次

まず、頭の整理から

現在、従業員とその扶養者が持っている可能性があるものは大きく3種類です。

  • 従来の健康保険証(すでに失効済み)
  • 資格情報のお知らせ(マイナ保険証と併用するための書類)
  • 健康保険資格確認書(マイナ保険証を持っていない人に発行されるカード)

この3つのうち、実務で「回収・返納が必要になる場面があるもの」は資格確認書だけです。従来の保険証とお知らせは、もう返却不要。シュレッダーで各自破棄してもらえばOKです。

まずここを押さえておくと、だいぶ楽になります。

📌 高齢受給者証についての補足
70歳〜74歳の方には、窓口負担割合を示す高齢受給者証が発行されています。高齢の親を扶養に入れているケースなどでは、扶養家族がこれを持っている場合があります。退職や扶養異動の際には、資格確認書とあわせて高齢受給者証の有無も確認し、手元にある場合は回収・返納が必要です。詳細はご加入の保険者にご確認ください。

なお、従来の健康保険証については2026年7月31日まで特例措置が設けられています。手元にある保険証がすでに期限切れであっても、医療機関がオンライン資格確認システムなどで保険資格があると確認できれば、窓口で全額自己負担を求めなくてよい、つまり通常どおりの保険診療として扱われます

ただし、この特例措置への対応は医療機関によって異なります。期限切れの保険証を持参しても、窓口で全額自己負担を求められるケースがないとは言い切れません。従業員から「期限切れの保険証しかないけど病院に行けるの?」と聞かれたときは、特例措置があることを案内しつつ、受診前に医療機関へ確認することをすすめるのが無難です。

この期間は2026年3月31日から2026年7月31日に、一度延長されています。また延長がないとも限りませんので、従来の健康保険証の破棄を案内するのは待った方がいいかもしれません。

場面別の対応まとめ

① 退職するとき

書類対応
従来の健康保険証回収不要(本人が破棄)
資格情報のお知らせ回収不要(本人が破棄)
資格確認書(有効期限内)要回収 → 資格喪失届に添付
資格確認書(期限切れ)回収不要(本人が破棄)

有効期限内の資格確認書は、本人分・扶養家族分ともに回収して、資格喪失届に添付して年金機構(事務センター)へ返納します。

なお、会社側では従業員が資格確認書を持っているかどうかを把握しにくいため、退職手続きの際は「資格確認書を持っているか」を本人に確認しておくと安心です。マイナ保険証を利用登録していない人には資格確認書が自動的に発行されるため、回収漏れに注意が必要です。

② 扶養から外れるとき

退職時とほぼ同じ流れです。対象の家族が持っている有効期限内の資格確認書を回収して、被扶養者異動届に添付して年金機構(事務センター)へ返納します。

従業員本人が資格確認書を持っていなくても、被扶養者だけが持っていることがあるため、対象者ごとに有無を確認しておくと回収漏れを防げます 。

③ 氏名変更があったとき

変更前の氏名が記載された資格確認書は、従業員から回収し、速やかに返納します。
新しい氏名の資格確認書が届くまで時間がかかる場合がありますが、届くまでの間は既存の資格確認書の取り扱いに注意してください。

④ マイナ保険証に切り替えたとき(在職中)

会社側では、従業員からの問い合わせがなければ知りうることができない特殊なケースです。

在職中の従業員がマイナ保険証の利用登録をしたため、「資格確認書がいらなくなった」という場合、有効期限内の資格確認書は返納する必要があります。決まった届出様式はなく、「マイナ保険証へ移行したため」などとメモを添えて、協会けんぽの各支部へ直接郵送すればOKです。必ずしも事業主が行う必要はなく、従業員本人が行っても構いません。

「紛失した」と言われたら

退職者から「資格確認書をなくしてしまった」と連絡が来ることも、たまにあります。そのときは慌てず、「健康保険 資格確認書回収不能届」 を添付して手続きを進めれば大丈夫です。

退職者への案内で、これだけは必ず伝えてほしいこと

実務上いちばん怖いトラブルが、退職後に誤って資格確認書を使って受診してしまうケースです。

資格確認書に書かれている有効期限がまだ先であっても、使えるのは退職日までです。退職翌日以降に使ってしまうと、後から総医療費の7〜9割(保険者負担分)を現金で返還請求されることになります。金額によってはかなりの負担になりますし、本人も会社も後味が悪い・・・。

退職手続きの案内文に一言添えておくだけで防げるトラブルなので、ぜひ定型文に組み込んでおくことをおすすめします。

まとめ

  • 回収が必要なのは「有効期限内の資格確認書」だけ
  • 従来の保険証・資格情報のお知らせは回収不要(各自で破棄)
  • 退職・扶養異動の際は、資格確認書の有無を必ず本人に確認する
  • マイナ保険証への切り替えによる返納は、メモを添えて協会けんぽへ直接郵送
  • 退職後の誤使用トラブルだけは、案内文で予防を

毎回「あれ、これどうするんだっけ」と検索するよりも、社内FAQに一覧表としてまとめておくと問い合わせがぐっと減ります。私もこの記事をベースに社内向けの資料を整理しようと思っています。同じ担当者の方のお役に立てれば嬉しいです。

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